「パッケージ」について
パッケージは、商品・製品などの価値のあるものを包むもので、紙・プラスチック・金属・ガラスなどの様々な素材が使われています。消費・使用後には廃棄されることが多いですが、以下に記載したようなパッケージの機能によって、生活の豊かさと社会の持続性に貢献しています。
- 保護機能(空気・水・紫外線・熱・温度・匂い・菌・汚れ・磁気・衝撃・振動・外圧・悪戯・誤用などからの保護、遮断性、安定性、長期保存性、強度など)
- 表示機能(物流表示・商品表示・取扱表示・使用包装材料・リサイクル表示などの情報伝達、バーコード・QRコード・RFID等の表示方法など)
- 販売促進機能(宣伝、デザイン、ブランドなど)
- 流通時の利便機能(運びやすさ、持ちやすさ、保管しやすさなど)
- 販売時の利便機能(陳列しやすさ、販売単位識別など)
- 消費時の利便機能(使いやすさ、開封、携帯性、再封、使用単位識別、食べやすさなど)
- 廃棄時の利便機能(廃棄しやすさ、省ゴミ、分別のしやすさ、リサイクルしやすさなど)
- 快適機能(ユニバーサルデザイン、清潔、未開封性など)
- 環境配慮(流通・保管・販売コスト削減、詰め替え、3R、環境配慮材料など)
パッケージは、生活に必要不可欠な、身近で重要なものであり、ライフスタイルや販売形態などの変化とともに変化を続けています。パッケージを作るにあたっては、安全・衛生、機能、利用者、社会・環境、経済性などを考慮する必要があり、パッケージは、材料・素材、製造、包装機械、マーケティング、デザイン、物流、法律、環境問題など、幅広い分野とつながっています。
研究助成の趣旨
パッケージ分野の発展に貢献しうる、意欲ある研究者の支援を目的とします。
特に、従来にない斬新な発想や枠組みで取り組む研究、パッケージに関する認識や研究活動に新たな広がりや深みをもたらすことが期待される研究、パッケージ分野の環境対策に関する研究など学術的意義や社会的波及効果の高い研究を助成の対象とします。
このことを通じて、パッケージの振興を図り、世界経済、産業に貢献することとします。
助成の対象
- 研究分野
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- パッケージに関わる研究を対象とします。
- 特に、従来にない斬新な発想や枠組みで取り組む研究、パッケージに関する認識や研究活動に新たな広がりや深みをもたらすことが期待される研究、パッケージ分野の環境対策に関する研究を優先的に対象とします。
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A:パッケージ材料と機能
- A-1.デザイン設計あるいはIoTなどの技術を活用し、従来よりも多くの情報伝達(消費者への商品情報の伝達・物流業者による管理情報の伝達)が可能となるパッケージ(物理的な表示面積拡大、ナノテクなど非可視での機能化技術、IoT活用などによる選択的情報伝達、エレクトロニクスによる表示機能)
- A-2.物流工程での破損なく、少ない材料使用量で内容物を効果的に保護可能なパッケージ(過剰包装を防ぐエコデザイン、緩衝材、易分離を可能とする表面改質技術)
- A-3.食品ロス削減を目指したバリア性とリサイクル性に優れるパッケージ(ハイバリア材料、リサイクル可能設計のバリア材技術、易分離機能をもつバリア材加工技術)
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B:パッケージとヒューマンファクター
- B-1.安全性を向上させたパッケージ(内容物の誤使用、誤飲の防止)
- B-2.視認性を向上させたパッケージ(店頭での販売促進力のアップ、認識しやすいパッケージ、脳科学を応用したパッケージ)
- B-3.マーケティングにおけるパッケージ
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C:パッケージグ機械及びシステム
- C-1.作業者にやさしいパッケージング機械・システムの開発、最適化(新たな印刷技術、溶剤や薬剤を使用しない接着粘着加工技術や印刷技術、AIや自動化による熱・エネルギー低減可能な機械制御に関する研究を応用した包装方法)
- C-2. パッケージング機械・ロボット・システムによる少⼈化
- C-3. 労働⼈⼝減少に対応したロボット・システムによる無⼈化⼯場構想
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D:パッケージ分野における環境対策
- D-1.環境負荷低減材料を使用したパッケージ(バイオプラスチック加工技術、環境低負荷型高分子合成法・成形法、再生材加工適正向上)
- D-2.環境負荷低減デザインのパッケージ(材料使用削減デザイン、軽量化、リサイクル可能設計)
- D-3.パッケージの環境負荷を低減するリサイクルシステム(マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル技術、解重合触媒、パッケージのLCA、グリーンマーケティング)
- D-4.輸送効率の良いパッケージ
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E:パッケージの新展開
- E-1.時代変化に対応するパッケージ(Eコマース時代のパッケージ、ドローンによる輸送に適したパッケージ、AIを利用したパッケージデザイン、IoT技術を使用・応用したパッケージ)
- E-2.トポロジーを利用したパッケージ、構造力学を利用した新形態のパッケージ
- E-3.これまでになかったパッケージの対象・用途・方法などに関する新規の概念やアイデア
- E-4.これまでになかった新しい形態のパッケージ
- F:その他(A-Eに当てはまらない分野)
- 対象者
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- 年齢制限:35歳以下、または博士取得後8年未満(出産育児等による休業期間を除く)
- 所属機関:主たる勤務先が国内の大学あるいは高等専門学校とその附置研究所、共同利用機関、公的研究機関であること
- 職位:上記の機関に所属し、主体的に研究を進めている原則常勤の研究者、職務専念義務上、外部研究費の受給にかかわる制約がないこと(任期付研究者の場合には、応募時点において、申請する研究期間の雇用が見込まれること)
- 機関承諾:当財団からの研究助成を所属機関が研究費として管理する前提のもとに、所属機関が応募を承諾していること
- 助成および応募の重複:当財団に対して同一年度に複数の応募申請をしていないこと
- 国籍は問いませんが、日本国内に居住する研究者であって、日本語での申請及び報告書の作成や成果の発表が可能であること
助成期間・助成金額・採択数
- 助成期間
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1年または2年(ご自身で選択の上、申請書に記載ください)
1年選択:2025年4月1日~2026年3月31日
2年選択:2025年4月1日~2027年3月31日
但し、申請された研究課題の特性等から、特にこの期間を超える研究期間が必要とあらかじめ認められる場合においては、この限りではありません。
- 助成金額
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- 100万円/年 (助成期間を2年選択の場合は合計200万円、1年選択の場合は合計100万円)
- 助成対象となった場合でも、助成金額は申請金額より減額され、支出計画の修正が必要になることがあります。
- 採択数
- 合計10件程度(予定)
- 助成金の支払い
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助成金は、2025年4月下旬までに、申請者が指定する銀行口座に振り込みます。
助成申請の要件
同じ研究(使途)内容で他の機関に助成申請されることも差し支えありませんが、他の機関からも同一期間内に重複して採択された場合には、必ず当財団にご相談ください。故意に申告せず、重複した助成が判明した場合には、採択が取り消されることがあります。ただし、当財団は、同一の大きな目的に向けての研究であっても、個別の助成プロジェクトの目的や内容が異なっていれば、他の助成プロジェクトと並行して進めることは原則認めています。
当財団の他助成との重複応募は認めておりません。
原則として再申請を妨げておりません。(助成を受給している最中でも、現在の研究の発展的な研究、及び異なる研究であれば応募可能です。)
助成金の使途
申請に際して支出計画を提出して頂き、申請の研究に必要な経費について助成の対象とします。本助成金は、申請の研究以外の使用はできません。また、原則としてその計画に基づき支出して頂きますが、計画に変更が必要になった場合には、あらかじめ当財団担当までご相談ください。
助成を受けた方の義務
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研究報告書類の提出
研究期間で研究の成果を、研究期間終了年の5月末日(助成期間1年選択は2026年5月末日、助成期間2年選択は2027年5月末日)までに、次により(研究報告書類 ア、イを作成)当財団へ提出してください。
- ア.成果報告書(A4用紙 財団指定のフォーマット)
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イ.会計報告書 費目、金額内訳等(A4用紙 財団指定のフォーマット)
- 注1 ア、イの様式は、助成決定後に送付します。
- 注2 研究における結果等について今後どのように活かしたら良いのか、施策的な提言、社会的な波及効果にも言及してください。
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成果報告書のホームページへの掲載
成果報告書を、当財団のホームページに掲載させて頂きます。
公開時期に配慮が必要な方は事前にお申し出ください。
又、ホームページで公開する以外の内容については機密を保持します。 -
成果報告会での発表
助成を受けた研究内容、成果は、研究期間終了年の8月頃(助成期間1年選択は2026年8月頃、助成期間2年選択は2027年8月頃)に成果報告会で発表して頂きます。なお、成果報告会は同年度に助成を受けられている方、及び過去に財団の助成を受けられた方々も自由に参加頂ける会です。
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報告の義務
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ア.研究論文の学会などでの発表
助成を受けた研究を論文等で他に発表される時は、当財団で助成を受けた旨、注記して頂くとともに、発表された論文等については当財団宛に提出願います。 -
イ.研究計画内容の変更
研究計画内容の変更は、事前に当財団の承認を得てください。 -
ウ.所属機関、学部等、役職名の変更
助成期間の途中で人事異動等により所属機関、学部等、役職名が変更になった場合、すみやかに当財団に連絡するとともに、所定の変更届を提出していただきます。
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ア.研究論文の学会などでの発表
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不正行為等の禁止
助成決定後に、不正受給、不正行為、不正使用が判明した場合、助成金の返還を求めることがあります。
個人情報の取り扱いに関する事項
- 当財団の研究助成への応募に関わる全ての個人情報は、選考に関する手続き(選考と当財団からの連絡)のみに使用します。
- 本人の同意がある場合を除き、第三者に開示又は提供しません。
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助成決定後、当財団のホームページ等に次の情報を公開します。
- ①助成対象者の氏名、所属機関、役職名
- ②研究課題
- ③研究期間
- ④助成金額
- ⑤成果報告書
- ⑥当財団主催の行事等に参加した際、当財団で撮影した写真