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理事長挨拶

岡崎 裕夫

公益財団法人フジシール財団
理事長

岡崎 裕夫

「パッケージング」と聞いて、どんなことを連想されますか?
返ってくる答えは、いつも人それぞれです。質問にどう答えるのか、困られる方もいらっしゃいます。しかし、生活の中で毎日使わない日がない身近なものなのです。

スーパーやデパート、コンビニなどで売られている商品は、すべてパッケージで包まれています。そのパッケージは、大切な商品を包んだり、長く保存したり、結束したりする包む機能と、商品の説明を表示したり、そして陳列棚からこの商品を買ってくださいと意思表示をしたりする、コミュニケーションの機能があります。そして、紙であったり、プラスティックであったり、金属などが使われています。たくさんの個性ある商品を包み、それを知らせる、商品にとってなくてはならない機能ですが、あくまでも主役は商品なのです。

一見、わき役で、消費されたら廃棄されるものだと思われますが、缶詰、レトルトパウチなどの食品を保存するパッケージや、内容物を外からの衝撃や紫外線などから保護したりする機能もあり、内容物の廃棄を最小限に抑えています。また、よりおいしく食べたり、使いやすくしたり、またどんな成分が入っているのかなどの表示をしたり、使い方の注意書きをしたりと、生活の豊かさにも大きく貢献しています。

海外ではパッケージングに特化した学問があり、大学には専門の学部もありますが、残念ながら日本には、一部の例外を除きまだないと言っていいでしょう。だからこそ私たちは、学生の皆様に向けて、もっとパッケージングのことを知ってほしい、と考えています。身近であるがゆえに、毎日興味をもって生活者感覚で接することができる。素人であっても興味さえあれば、いろいろな改善提案も考えられる面白い「ネタ」が転がっています。

とはいえ、材料、商品などによって千差万別の難しさがあり、素材の選択、製造の仕方、マーケティング、デザイン、物流、そして避けては通れない環境問題など、幅広い知識や経験も必要になります。しかし、それもまた面白さです。財団の中では、学校で学ぶ視点ではなく、生活者としての視点で、課題や問題を見て、ともに経験し、議論する、そんな生きた勉強ができると考えています。
奨学金の支給というサポートだけではなく、パッケージングを学ぶことで、人生の視野を広げ、多様性を学ぶ経験をしてもらおうと考えています。

メンバーも、化学系・機械系・デザイン系・リベラルアーツ系、さらには海外からの留学生も入った、まさに多様な人たちの集まりとなります。そんな仲間の集まりで、未来の日本を背負っていく若者を育てていきたいと考えています。

理事長

岡崎 裕夫
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